「回復期リハビリテーション病棟」とは・・・
急性期治療を終えて、症状が安定した患者様に対して集中的なリハビリを実施することにより、家庭・社会復帰を目指す病棟のことです。回復期リハビリテーション病棟では、日常生活動作能力の向上や寝たきり防止のために訓練室以外の場面でも様々なリハビリを行い、1日も早く住み慣れたご自宅での生活に戻られることを目指します。
その1 個別療法リハビリ実施!
患者様の症状や回復状態にあわせたプログラムを組み、リハビリテーションをおこないます。
その2 個々の到達目標を設定し、「できること」を大切に!
入棟から退院まで患者様のペースでリハビリを進めます。
その3 365日リハビリの実施!
患者様からのご希望や、回復状態により集中的なリハビリを行います。
その4 充実した設備と機器で早期退院!
明るく広々としたリハビリスペース、住宅をイメージしたADLコーナー。早期退院のお手伝い。
その5 チーム医療で取り組み、ニーズを把握し、より良い在宅復帰を目指す!
病棟に認定看護師を配置し、入院中から退院後までをきめ細かくサポートします。入院中にご自宅への訪問を行い、退院後の生活環境に支障がないよう確認します。
疾患 | 発症から | 入院期間 |
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脳血管疾患 | 2ヶ月以内 | 150日以内 |
脊髄損傷 | ||
頭部外傷 | ||
クモ膜下出血シャント術後 | ||
脳腫瘍 | ||
脳炎 | ||
急性脳炎 | ||
骨髄炎 | ||
多発性神経炎 | ||
多発性硬化症 | ||
腕神経叢損傷等(いずれも発症 又は手術後) | ||
義肢装着訓練を要する状態 | ||
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害 | 180日以内 | |
重度の頚髄損傷・頭部外傷を含む多部位外傷 | ||
大腿骨・骨盤・脊椎・股関節、又は膝関節 | 2ヶ月以内 | 90日以内 |
2肢以上の多発骨折(発症又は手術後) | ||
外科手術または肺炎等の治療時の安静による廃用症候群(手術後または発症後) | ||
大腿骨・骨盤・脊椎・股関節・膝関節の神経、筋、靭帯損傷後 | 1ヶ月以内 | 60日以内 |
※個別プログラムに基づいたリハビリの実施により内容には状態による個人差がございます。
時間 | 項 目 | 内 容 |
---|---|---|
7:00 | 身支度 | 寝間着からリハビリのできる服装へ着替えます |
8:00 | 朝食 | ADL向上のため歩行可能な方、 車椅子の方はデイルームへ移動します |
9:00 | リハビリテーション (60分間) |
(リハビリテーション室) 理学療法士によるリハビリ実施 |
11:00 | リハビリテーション (60分間) |
(言語療法室)言語聴覚士によるリハビリ実施 |
12:00 | 昼食 | ADL向上のため歩行可能な方、 車椅子の方はデイルームへ移動します |
13:00 | 整形回診 | (毎週火曜日) |
病棟内歩行リハビリ | (病棟内) 担当看護師によるリハビリ実施 |
|
14:00 | 病棟レクリエーション (60分間) |
(デイルーム) パズルや卓上ゲームを用い セラピストや看護師と一緒に行います |
15:00 | 入浴 | (週2回) 安全を確保し自立を援助します |
16:00 | リハビリテーション (60分間) |
(リハビリテーション室) 作業療法士によるリハビリ実施 |
17:00 | - | - |
18:00 | 夕食 | ADL向上のため歩行可能な方、 車椅子の方はデイルームへ移動します |
19:00 | - | - |
20:00 | 就寝前準備 | 歯磨き、着替え等の日常動作もリハビリの一環です |
21:00 | 消灯 | 翌日に備え十分な休養をとります |
回復期病棟では、限られた期間でのADL(日常生活動作)向上を目標とした、早期在宅復帰を目指しております。歩行不可だった患者様が歩けるようになる、人手を借りずにトイレができるようになる等の身近な動きができるようになり、元どおりの家庭生活に戻られることを目標として1日を通したリハビリを行っています。
とにかくリハビリは「頑張る」イメージを持たれがちですが、当院では楽しい気持ちで前向きに取り組んでいただけるようにと、スタッフ一同が取り組んでおります。
例えば、歩行可能な方、車椅子での移乗ができる方のお食事は、ADLの向上をはかることを目的に談話室で召し上がっていただきます。他の患者様と談笑しながら交流を図ることができるため、食事の時間が楽しみで待ち遠しく感じられます。
そして、リハビリは3つのパターンで実施しています。
リハビリスタッフによる「機能訓練」と「レクリエーション」看護スタッフによる「歩行訓練」。どのリハビリも医師の指示や個別メニューに基づいて実施されていますが、特にレクリエーションは専門スタッフと一緒に行う上、娯楽性も高いため患者様の楽しみの一つとなっています。例えば、高次機能障害を持つ患者様にとって、カードを使った連想ゲームや簡単な計算、塗り絵などは脳に刺激を与えるといった効果があり、スタッフとコミュニケーションをとりながら行います。
歩行リハビリでは、担当看護師とともに患者様の状態にあわせた歩行訓練、スクワット、足首の運動等も取り入れて行っております。
やがて迎えるリハビリのゴールと共に、患者様は退院されることになりますが、私達の仕事は退院後の生活にまで及んでいます。近年、核家族化が深刻化し、親子関係が疎遠になる、破綻している等の事例が見られます。独居老人の増加の背景には退院後の生活に不安を覚えられる患者様が少なくありません。また、退院後のリハビリ継続が困難なため再びADLの低下を招いてしまうこともあります。私達は退院の時期が近付くと、患者様とご家族からのご要望をお聞きした上で、多職種間で話し合いを持ち、その方にあった方向性を見出していきます。
1日も早く、笑顔で元の生活に戻っていただくこと。それが私達の願いです。